外壁塗装を20年していないとどうなる? 2024.11.25 目次1 はじめに2 外壁塗装をしないとどうなるのか?2.1 1.防水機能の低下2.2 2.外壁材の劣化2.3 3.美観の損失3 外壁の主な劣化症状3.1 塗装面の劣化3.2 外壁材そのものの劣化3.3 その他の劣化症状4 20年外壁塗装をしないリスク4.1 経済的なリスク5 外壁塗装を定期的に行うメリット5.1 修繕費用を抑えられる5.2 建物の価値を維持5.3 快適な住環境を守る6 約10年での塗装ができない場合の対策7 まとめ はじめに 外壁塗装は家を美しく保つだけでなく、建物を守るための重要なメンテナンスの一つです。しかし、経済的な事情や時間の余裕がないなどの理由で「10年経ったら外壁塗装」という推奨スケジュールを守れない場合もあるでしょう。では、外壁塗装を20年間しなかった場合、建物にはどのような影響が出るのでしょうか? 外壁塗装をしないとどうなるのか? 1.防水機能の低下 外壁塗装は、雨水や湿気から建物を守るための防水膜の役割を果たしています。この防水膜が劣化すると、雨水が外壁材に染み込みやすくなり、内部構造にまで影響を及ぼす可能性があります。結果として、以下のような問題が発生します。 雨漏り:屋根や壁のつなぎ目から水が侵入。腐食やカビ:木材部分が腐る、カビが発生する。 2.外壁材の劣化 塗装が剥がれると、外壁材が直接風雨や紫外線にさらされます。特に以下の材料は劣化しやすいです。 モルタル壁:ひび割れや剥落が起きる。サイディングボード:反りや割れが進む。木材:腐敗や虫害のリスクが高まる。 タイルやレンガなど塗装が必要ない外壁材もありますが、タイルもレンガも目地のメンテナンスは必要です。 3.美観の損失 塗装が色あせたり剥がれたりすることで、建物全体が古びて見えるだけでなく、地域の景観にも影響を与えることがあります。 外壁の主な劣化症状 外壁の劣化症状には、塗装面の劣化と外壁材そのものの劣化とあります。塗装面の劣化ならば塗装メンテナンスで修繕できますが、外壁材そのものが劣化すると塗装で修繕できる場合と張替工事やカバー工法工事で修繕する大がかりな工事になることもあります。外壁材が塗装でメンテナンスできる範囲でメンテナンスしておきたいです。 塗装面の劣化 塗膜(塗装部分)は紫外線や雨風にさらされることで劣化が進みます。色あせ表面の色が薄くなったり明るくなったりする現象。紫外線による色素の分解が主な原因です。美観が損なわれるだけでなく、防水機能の低下も懸念されます。チョーキング(白い粉の発生)塗装表面を手で触ると白い粉が付く現象。塗膜が劣化し、塗料の成分が粉状に変化したことを示します。防水効果がほぼ失われている状態です。塗装の剥がれ塗膜が剥がれて外壁材がむき出しになる状態。放置すると外壁材が直接ダメージを受け、劣化が加速します。 外壁材そのものの劣化 塗装だけでなく、外壁材自体も劣化することがあります。ひび割れ(クラック)壁に細い線状のひびが入る現象で、特にモルタル外壁でよく見られます。ヘアクラック:0.3mm未満の細かいひび割れ。すぐに建物に大きな影響はないものの、放置すると雨水が浸透する可能性があります。構造クラック:0.3mm以上の大きなひび割れ。構造への影響がある場合もあり、早急な補修が必要です。外壁材の反り・剥がれサイディングボードや木材などで見られ、湿気や紫外線の影響で素材が変形することがあります。剥がれた部分から水が浸入し、下地を痛める原因となります。錆び金属製の外壁材(トタンなど)で発生します。赤茶色の錆が目立ち始めたら、早めに対処しないと腐食が進行します。 その他の劣化症状 外壁の劣化は、付随する部分にも影響を与えます。シーリング(コーキング)の劣化外壁材の目地に使用されるシーリング材が硬化してひび割れたり、剥がれたりする症状。水の浸入や断熱性の低下を招くため、目地の補修が必要です。カビや苔、藻の発生外壁の北側や日当たりの悪い部分に、緑や黒い汚れが付着することがあります。湿気が原因で発生し、放置すると美観だけでなく外壁の劣化を促進します。雨漏りやシミ外壁の劣化が進行すると、室内の壁や天井に雨染みが出ることがあります。これは建物の内部にまでダメージが及んでいるサインで、早急な対応が必要です。 外壁劣化のサインは?劣化症状や原因について 20年外壁塗装をしないリスク 20年も外壁塗装を行わない場合、劣化は次第に加速していきます。以下の段階的なリスクが予測されます。 10年目:塗装の色褪せや一部剥がれが目立ち始め、防水性能が低下。15年目:ひび割れや外壁材の傷みが顕著になり、雨水が内部に侵入する。20年目:外壁材の交換や内部構造の補修が必要になるケースが多発。 最終的には、外壁塗装をしなかったために修繕費用や材料が非常に高額になることが避けられません。 経済的なリスク 20年間塗装をしない場合、劣化が進むにつれ修繕費用が増加します。外壁材の補修や交換費用が増大外壁全体の張り替えや大規模修繕が必要になるケースもあります。建物の資産価値が低下外観が悪化し、建物の評価額が下がる可能性があります。 外壁塗装を定期的に行うメリット 修繕費用を抑えられる 定期的に塗装を行うことで、外壁材や建物の内部構造が長持ちし、大規模な補修が不要になります。結果として、トータルコストを抑えることができます。 建物の価値を維持 メンテナンスが行き届いた家は見た目が良いだけでなく、資産価値も高くなります。住宅を売却する際にもメンテナンス履歴は資産価値に大きく影響します。 快適な住環境を守る カビや雨漏りなどのトラブルを防ぐことで、快適で健康的な住環境を維持できます。 約10年での塗装ができない場合の対策 もし経済的な事情やタイミングの問題で塗装が難しい場合でも、以下のような対策を取ることをお勧めします。 簡易的な防水対策:ひび割れ部分にコーキング材を充填やコーキング工事のみ行う。定期点検:専門業者に外壁の状態をチェックしてもらい、緊急性の高い部分を優先的に修繕。(雨漏りにつながる部分など)部分補修:特に傷みの激しい箇所だけを補修する。 何もしていないと劣化は進行していきます。定期的に専門業者に見てもらい、最低限やっておかないといけない箇所だけでもメンテナンスすることが大事です。特に雨漏り対策は大事です。雨水が侵入すると建物は急激に劣化します。 雨漏りはどうして起こる?原因は?雨漏りが起こりやすい理由 まとめ 外壁塗装を20年間放置すると、建物の寿命を縮める原因になります。修繕費用が膨らむリスクを回避するためには、10年程度を目安に塗装を行うことが理想的ですが、事情が許さない場合でも定期的な点検や部分補修を行うことで、被害を最小限に抑えることが可能です。早めの対策が、建物の長寿命化と快適な住環境の維持につながります。 塗装の基礎知識一覧へ