雨漏りを防ぐ!外壁塗装時に確認したいバルコニー防水工事の重要性 2025.01.24 目次1 外壁塗装工事のときにバルコニーを点検する重要性とは1.1 バルコニーの劣化は雨漏りの原因に1.2 水はけはバルコニーの耐久性を守る鍵1.3 点検だけでも外壁塗装時にしておきましょう2 バルコニーの防水工事をするタイミングは?2.1 バルコニーの防水工事をするべきサイン3 バルコニー防水工事の種類 主な3つ3.1 FRP防水(繊維強化プラスチック防水)3.2 シート防水3.3 ウレタン防水4 バルコニー防水工事は劣化症状によって工事がちがう4.1 表面の軽度な劣化(ひび割れ・色あせ)4.2 中程度の劣化(小さな剥がれ・局所的な水はけの悪化)4.3 .重度の劣化(防水層全体の剥がれ・水漏れ発生)5 まとめ 外壁や屋根の塗装が見た目の美しさを保つために必要なのと同じように、バルコニーの防水塗装も大切な役割を担っています。実は、バルコニーの床面は常に雨や紫外線にさらされており、年月が経つと防水層が劣化してしまうことがあります。この防水層が傷むと、雨水が建物内部に侵入し、雨漏りの原因となることも少なくありません。特に、木造住宅や鉄筋コンクリート住宅の場合、雨漏りが発生すると建物自体の劣化を早めてしまう可能性があるため注意が必要です。防水塗装をしっかりと行えば、雨水の侵入を防ぐだけでなく、長期的に建物を守ることができます。そのため、外壁塗装のタイミングでバルコニーの状態を点検し、必要に応じて防水工事をすることが大事です。今回はバルコニー防水の重要さと防水工事のしくみついて解説します。 バルコニーや屋上の防水工事が必要な4つの劣化のサイン 外壁塗装工事のときにバルコニーを点検する重要性とは 外壁塗装というと、外壁や屋根の塗り替えをイメージする方が多いかもしれませんが、屋外にはそれ以外にも大切な設備があります。そのひとつが2階のバルコニーです。外壁や屋根と同じように、バルコニーも定期的なメンテナンスを行わなければ、やがて劣化が進み、建物全体に深刻な影響を与える可能性があります。バルコニーの劣化を早期に発見するためには、劣化のサインや外壁塗装と一緒に点検・修繕を行うべき理由をしっかりと把握しておくことが大切です。 バルコニーの劣化は雨漏りの原因に バルコニーは外壁や屋根と同様に、常に雨や紫外線の影響を受け続けるため、ダメージが蓄積しやすい場所です。特に、ベランダとは異なりバルコニーには屋根がないため、劣化が進行しやすいという特徴があります。このような状態を放置してしまうと、雨水によるダメージがさらに悪化し、外壁の内部や室内に雨漏りが発生する可能性があります。バルコニーの劣化は建物全体に影響を及ぼすため、早めの対策が重要です。 水はけはバルコニーの耐久性を守る鍵 バルコニーの床は屋根とは異なり、人が頻繁に出入りするため大きな傾斜をつけることが難しく、もともと水はけがあまり良くありません。それでも、耐久性を保つためのわずかな傾斜が設けられているため、通常の状態では雨水が床に溜まり続けることはありません。しかし、床面が劣化したり、排水口にゴミや異物が詰まったりすると、水はけが悪化してしまいます。その結果、雨水が長時間床面に溜まり、湿気が逃げにくくなります。こうした状況が続くと、カビやコケが発生しやすくなり、床面の耐久性が急速に低下してしまうため、早めの点検と清掃が欠かせません。 点検だけでも外壁塗装時にしておきましょう 外壁塗装は通常10年に1度のペースで行われますが、バルコニー単体のメンテナンスを実施する方は少ないのが現状です。しかし、外壁塗装のタイミングでもバルコニーの劣化を見逃してしまうと、補修の機会はさらに減り、問題が悪化するリスクが高まります。例えば、室内への雨漏りや手すりの老朽化が発覚した場合、部分的な補修工事では済まず、大規模な防水リフォームが必要になり、結果として高額な費用が発生する可能性があります。そうなる前に、外壁塗装のタイミングを活用して、バルコニーの点検だけでもしっかりと行い、早めに対策を講じることをおすすめします。 バルコニーの防水工事をするタイミングは? バルコニーの防水工事は、劣化が進む前に適切なタイミングで行うことが重要です。一般的に、防水層の寿命は10~15年程度とされていますが、環境や使用状況によって変わるため、定期的な点検が欠かせません。以下のような劣化のサインを見逃さないようにしましょう。 バルコニーの防水工事をするべきサイン 防水層のひび割れや剥がれ 床面に細かいひびが入ったり、トップコートや防水層が剥がれている場合、防水性能が低下している可能性があります。 雨水が乾きにくくなる 水はけが悪くなり、雨水が長時間溜まるようになった場合、防水層や排水口が劣化している可能性があります。 カビやコケの発生 床面や手すり付近にカビやコケが生えている場合、湿気がこもりやすくなり、防水性能が落ちていることを示しています。。 塗膜の色褪せや剥がれ 紫外線の影響で塗膜が色褪せたり、部分的に剥がれている場合、防水層を保護する役割が失われています。 手すりや床材の腐食や浮き 防水が不十分な状態が続くと、手すりや床材が腐食したり、浮き上がることがあります。 室内への雨漏りや天井のシミ 防水層の劣化が進行すると、室内に雨漏りが発生し、天井や壁にシミができることがあります。 これらの劣化のサインが見られたら注意が必要です。防水工事のタイミングが来ている可能性があります。中でも室内への雨漏りや天井や窓枠にシミがある場合は一刻も早く対策を取る必要があります。 雨漏りはどうして起こる?原因は?雨漏りが起こりやすい理由 お問い合わせはこちら バルコニー防水工事の種類 主な3つ バルコニーの防水には耐用年数があり、劣化のサインが見られた場合は早めに対処することが重要です。防水工事にはいくつかの種類があり、建物の状態によって適用できる工法が異なります。では、バルコニーにはどのような防水工事があるのでしょうか?バルコニーでよく使用される防水工法には、以下の3つがあります。FRP防水シート防水ウレタン防水 それぞれに特徴があり、バルコニーの広さや使用目的に応じて最適な防水工法が異なります。 FRP防水(繊維強化プラスチック防水) 特徴 ガラス繊維と樹脂を用いて、強度の高い防水層を作る工法。硬化後は非常に頑丈で耐久性に優れています。 メリット 耐久性が高く、一般的に10~15年以上の寿命。耐衝撃性に優れ、人が頻繁に出入りするバルコニーに適している。軽量で、施工後の見た目も美しい。 デメリット 費用が比較的高め。硬化すると柔軟性がなくなるため、動きの多い構造には不向き。施工時に独特の臭いが発生する。施工者の技術によって仕上がりが左右される。 適しているバルコニー 頻繁に使用するバルコニーに向いている。重たいものや硬いものを置く場合。 シート防水 特徴 防水シートを床面に敷き詰めて接着する工法。主に塩化ビニールシートやゴムシートが使用されます。あらかじめ工場で製造されたシートを使うため、品質が均一で安定しています。 メリット 工期が短く、広い面積でも効率的に施工可能。耐久性が高く、一般的に10~15年程度の寿命。紫外線や雨水に強い素材が多い。 デメリット 複雑な形状のバルコニーには不向き(シートの接合部分が増えるため)。施工者の技術によって仕上がりが左右される。 適しているバルコニー 大面積のバルコニーや直線的な構造の場所。 ウレタン防水 特徴 液状のウレタン樹脂を塗布して固める工法。防水層を現場で一体化して施工します。継ぎ目がなく、どんな形状のバルコニーにも対応可能。 メリット 防水層がシームレスで漏水リスクが低い。施工後もメンテナンスが比較的簡単(トップコートの塗り替えで延命可能)。軽量なので、建物への負担が少ない。 デメリット 耐久性がシート防水やFRP防水よりやや劣り、一般的に8~10年程度。施工者の技術によって仕上がりが左右される。 適しているバルコニー 複雑な形状や狭いスペースのバルコニー。 お問い合わせはこちら バルコニー防水工事は劣化症状によって工事がちがう バルコニー防水のメンテナンス工事は劣化症状に応じて異なります。劣化の程度や状況によって適切な工事内容を選ぶことが重要です。 表面の軽度な劣化(ひび割れ・色あせ) トップコートの再塗装 表面の保護層であるトップコートが劣化している場合に行います。比較的簡易な工事で、防水層そのものを守り、防水性能を維持します。 中程度の劣化(小さな剥がれ・局所的な水はけの悪化) 部分補修 防水層の一部が剥がれたり、排水口付近の劣化が目立つ場合に行います。必要な箇所だけを修復するため、費用を抑えられる場合があります。 .重度の劣化(防水層全体の剥がれ・水漏れ発生) 防水層の全面補修 FRP防水、ウレタン防水、シート防水など、既存の防水層を一度撤去して新しい防水工法を施します。広範囲で水漏れや剥がれが発生している場合には、全面補修が必要です。 まとめ バルコニーの防水工事は、建物全体の健康を守る上で非常に重要です。外壁塗装工事の際にバルコニーを点検することで、雨漏りや劣化のリスクを未然に防ぐことができます。バルコニーは屋外にさらされているため、雨や紫外線によるダメージが蓄積しやすく、特に水はけが悪くなると耐久性が大きく低下してしまいます。防水工事を行うタイミングを見極めるには、劣化のサインを見逃さないことが重要です。ひび割れや剥がれなどの軽度な劣化から、深刻な水漏れに至るまで、症状に応じた適切な対応をとることが求められます。また、防水工事には「FRP防水」「シート防水」「ウレタン防水」などの種類があり、それぞれに特長と適した用途があります。建物やバルコニーの状態に合わせた最適な工事を選ぶことが長持ちさせるポイントです。外壁塗装と同時にバルコニーの防水メンテナンスも検討することで、トラブルを未然に防ぎ、住まいの快適性と資産価値を保つことができます。定期的な点検と適切な工事で、バルコニーを安心して使い続けられる環境を整えましょう。 塗装の基礎知識一覧へ