屋根塗装は必要?費用相場から塗料の耐用年数まで徹底解説! 2024.08.30 目次1 屋根塗装って本当に必要?1.1 屋根塗装が必要な屋根材で屋根塗装しなかったら‥2 屋根塗装が必要な屋根材って?2.1 屋根材の種類3 屋根のメンテナンスは塗装だけじゃない3.1 屋根の塗装3.2 屋根の葺き替え3.3 屋根のカバー工法4 屋根工事の費用相場4.1 屋根塗装4.2 葺き替え工事4.3 カバー工法5 屋根の塗料 耐用年数について5.1 シリコン塗料5.2 フッ素塗料5.3 無機塗料6 まとめ 屋根は外壁に比べて視界に入りづらいため、雨漏りなどのトラブルがない限り、塗装の必要性を感じにくい方も多いと思います。しかし、住宅を長く安全に保つためには、屋根塗装は欠かせないメンテナンスの一つです。この記事では、屋根塗装の重要性や費用について詳しく解説します。また、塗装に最適なタイミングや、塗装ができないケースについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 屋根塗装って本当に必要? 結論から言いますと、ほとんどの家にとって屋根塗装は必要です。塗装工事は、家の外観をきれいに保つだけでなく、防水や防汚などの機能を持つ塗膜が、紫外線や熱、雨風から屋根を守る大切な役割を果たします。塗料の保護機能は10年ほどで徐々に弱まっていき、放置するとその効果が完全に失われてしまいます。そうなると、屋根の汚れや色あせ、さびが目立つだけでなく、屋根材にひび割れや破損が生じるリスクも高まり、最終的には雨漏りが発生する可能性があります。雨漏りに気づくのが遅れると、建物内部が水分や湿気でダメージを受け、建物の耐久性に悪影響を与えることも。ですが、定期的に屋根塗装を行えば、屋根をしっかりと守り、結果的に家の寿命を延ばすことができます。早めに補修することで、大きな修理費用を避けられるというメリットもあります。 屋根塗装が必要な屋根材で屋根塗装しなかったら‥ ・見た目の悪化:光沢が失われ、コケや汚れが目立ちやすくなります。・工事費用の増加:劣化が進行すると、屋根の全面交換が必要となり、工事費用が大幅に増える可能性があります。・ 雨漏りのリスク:屋根材が劣化すると、その下の防水シートもダメージを受け、雨漏りや湿気の問題が発生しやすくなります。一番厄介なのは雨漏りです。屋根の塗装が劣化して防水性がなくなると、屋根材が雨水を吸収し、基材が傷んでしまいます。その結果、防水シートが濡れて、ビスが劣化し、雨漏りが発生することがあります。 屋根塗装が必要な屋根材って? 塗装が必要な屋根材は、スレート(コロニアル・カラーベスト)、セメント瓦、トタン・鋼板屋根(ガルバリウム鋼板も)です。塗装が必要ではない、塗装してはいけない屋根材もあります。屋根材の種類をご紹介します。 屋根材の種類 スレート(コロニアル・カラーベスト) スレート屋根はスレートという素材で作られた屋根です。コロニアルやカラーベストは商品名で屋根の種類はスレートになります。瓦屋根に比べると軽量で安価、色やデザインも豊富なので様々な建物に合います。ただし、製造年によって耐久性が違います。アスベストが含まれているスレートは丈夫ですがアスベストが禁止になってすぐにできたスレート屋根の製品は非常にもろく、踏むと割れてしまうスレート屋根も多いです。 セメント瓦 セメント瓦は適切なメンテナンスを定期的に行えば30年以上もつ耐久性の優れた屋根材です。素材はセメントでセメントを成形し塗装で仕上げているのでメンテナンスは塗装が必要です。塗装しなかったら割れてしまいます。 トタン・鋼板屋根・ガルバリウム鋼板屋根 金属製の板金屋根です。工場や倉庫では昔から使われていますが、近年は戸建て住宅でも多く使われています。軽量で建物に負担がかからないので耐震性に優れています。最近のガルバリウム鋼板は錆びにくいですが、塗装メンテナンスは必要です。サビ止めを入れて塗装をします。 陶器瓦・釉薬瓦 陶器瓦、釉薬瓦は塗装が必要ありません。焼き物のお茶碗などと同じで釉薬をかけ、窯で焼いた瓦です。耐久性が高く苔や藻も生えにくいです。塗装はできません。 いぶし瓦 いぶし瓦は陶器瓦のように窯で焼いた瓦ですが、その後瓦を煙でいぶします。瓦をいぶすことでいぶし瓦特有の黒光りした独特の風合いを出すことができます。いぶし瓦は年月の経過とともに色ムラが出ます。色ムラをいぶし瓦の特長としていいと思う人もいれば気にいらない人もいますので、いぶし瓦専用の塗料もありますが、基本的には塗装が必要ない瓦です。 屋根のメンテナンスは塗装だけじゃない 屋根のメンテナンス方法は塗装の他にも、葺き替えやカバー工法があります。屋根の劣化状況や屋根材、予算に応じてメンテナンス方法を選択します。 屋根の塗装 屋根の塗装とは、屋根を保護するために塗料を塗る作業です。これにより、耐久性が向上し、見た目も美しく保たれます。塗料によって耐久年数に違いが出ます。 屋根の葺き替え 屋根の葺き替えとは、古い屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換する工事です。これにより、屋根の防水性や耐久性を再生し、長期間の使用に耐える状態にします。劣化が進んだ屋根を一新することで、家の保護性能が向上します。 屋根のカバー工法 屋根のカバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事です。これにより、既存の屋根を取り外すことなく、短期間で防水性や耐久性を向上させることができます。手間とコストを抑えつつ、屋根の性能を改善する方法です。 屋根工事の費用相場 屋根のメンテナンスは塗装だけじゃなく、葺き替えやカバー工法とありますが、工事費用に差があります。それぞれの相場を見ていきましょう。 屋根塗装 費用相場: 1㎡あたり約2,500円~4,500円総額の目安: 100㎡の屋根で約25万円~45万円 塗料によって費用が上下します。既存の屋根の状態によって必要な工事があれば費用が上がります。 葺き替え工事 費用相場: 1㎡あたり約8,000円~15,000円総額の目安: 100㎡の屋根で約80万円~150万円 古い瓦や土の撤去・処分作業があるのでカバー工法よりも費用が高いです。 カバー工法 費用相場: 1㎡あたり約6,000円~12,000円総額の目安: 100㎡の屋根で約60万円~120万円 屋根の瓦の形状によってはカバー工法ができないものがあります。 屋根の塗料 耐用年数について 屋根の塗装は塗料によって耐用年数や効果、費用が違います。代表的な塗料の特長や耐用年数をご紹介します。屋根は外壁に比べ劣化しやすいので外壁よりも耐用年数が短いです。 シリコン塗料 シリコン塗料は一般的によく使われている塗料です。比較的安価な塗料です。 耐久性: 中程度の耐久性を持ち、耐用年数は5~7年程度です。コスト: 比較的コストパフォーマンスが良く、価格が手頃です。防汚性: シリコン塗料は撥水性があり、汚れがつきにくい特長があります。用途: 多くの住宅で採用されており、バランスの良い性能が魅力です。 フッ素塗料 フッ素塗料はシリコン塗料と無機塗料の中間のグレードと言える塗料です。ツヤ消しはできませんが汚れがつきにくくキレイな状態を保ちます。 耐久性: 非常に高い耐久性を持ち、耐用年数は12~13年程度です。コスト: シリコン塗料より高価ですが、無機塗料よりは低価格です。防汚性: フッ素塗料は非常に撥水性が高く、汚れや紫外線に強いです。用途: 商業施設やマンション、高級住宅など、長期間の美観と保護を必要とする建物に使用されます。 無機塗料 無機塗料は費用は高いですが、耐用年数が長く美しさを長期間維持することができます。 耐久性: 非常に高い耐久性を持ち、耐用年数は15~20年程度です。コスト: 価格は他の塗料に比べて高いですが、長期間の保護が期待できます。防汚性: 無機塗料は無機物質を含んでおり、耐候性が高く、色あせしにくいです。用途: 特に耐久性を求める場合や、高級住宅に採用されることが多いです。 オススメ塗料のページへ まとめ 屋根塗装は、見えにくい場所ですが、住宅を長持ちさせるために重要なメンテナンスです。塗装が必要な屋根材は、スレート、セメント瓦、トタン・鋼板屋根などで、塗装を怠ると劣化が進み、雨漏りのリスクが高まります。一方、陶器瓦やいぶし瓦は塗装が不要です。屋根のメンテナンスには、塗装、葺き替え、カバー工法があり、屋根の状態や予算に応じて選択します。 塗装の基礎知識一覧へ