岡山市北区の平屋を塗装 外壁の漆喰が美しい仕上がり 2025.09.17 塗装 目次1 モルタル外壁と旧塗膜の状態2 下塗り:ミラクシーラーエコ3 微弾性サーフの効果4 目地の工夫によるひび割れ防止5 中塗り・上塗り:無機塗料で長寿命仕上げ6 漆喰部分の補修と塗装7 木部の存在感と塗装8 まとめ 岡山市北区で外壁塗装工事をしている現場です。外壁の塗装が終わり、現在は、樋や細部の木部など、外壁以外の付帯部分の塗装を仕上げている段階です。今回の現場は平屋のお住まいで、外壁にはモルタルと玄関まわりに漆喰が使われている、落ち着きのある雰囲気の住宅です。 モルタル外壁と旧塗膜の状態 外壁の大部分はモルタル仕上げとなっており、旧塗膜はリシン吹き付けでした。リシンは細かい骨材を吹き付けた仕上げ材で、独特のザラつきと質感が特徴です。ただし、防水性に乏しく、経年劣化により防水機能が低下すると、外壁材との密着が弱まり、塗膜の剥離や浮きが発生しやすい状態となります。実際に現場を確認すると、リシンの骨材が触れると少しポロポロと落ちやすくなっている箇所もありました。このまま上塗りをしてしまうと、下地ごと剥がれてしまう危険があるため、しっかりと下地処理を行う必要があります。 下塗り:ミラクシーラーエコ まず最初に行ったのは、密着性を高めるための下塗りです。リシン仕上げの外壁には「ミラクシーラーエコ」を使用しました。この材料は、リシンや古い塗膜を固めて骨材のポロポロ落ちを防ぐ効果があります。また、上塗りとの密着を高める役割も果たすため、仕上がりの品質に大きく影響します。 微弾性サーフの効果 次に、下塗りの上に「微弾性フィラー(サーフ)」を塗布しました。微弾性サーフは、モルタル外壁の塗装ではよく使われる材料で、塗膜に弾性があるため外壁の動きや小さなひび割れに追従しやすい特徴があります。モルタルはどうしても割れやすい素材ですが、この微弾性サーフを塗布することで、ひび割れの進行を抑え、雨水の浸入を防ぐことができます。今回の外壁は、築年数のわりに大きなひび割れがなく非常に良い状態で残っていたのが印象的でした。多くのモルタル外壁は窓周りや外壁の角などに多数のクラックが入っていることが多いのですが、この住宅ではそうした劣化がほとんど見られなかったのです。 目地の工夫によるひび割れ防止 その理由を観察すると、設計段階での工夫が大きく関係していると感じました。通常、モルタル外壁は大きな面で仕上げると割れが発生しやすくなります。しかしこちらのお住まいでは、意図的に目地が多めに設けられており、外壁の動きを分散できるようになっていました。特に、窓が横並びに配置された部分では、目地がY字を逆さにしたような形に施工されており、ひび割れが横方向に広がらない工夫がなされていました。これは非常に珍しい施工方法で、職人さんの知恵と工夫が感じられる部分でした。 中塗り・上塗り:無機塗料で長寿命仕上げ 下地をしっかり固めた後は、中塗り・上塗りの工程です。使用した塗料は「無機塗料」。無機塗料は耐候性に優れており、紫外線や雨風による劣化を大幅に抑えることができます。一般的なシリコン塗料と比べても耐久年数が長く、長期的に美観を維持できるのが特徴です。外壁の仕上がりは艶やかで、光が当たると自然な陰影が出てとても美しく仕上がりました。無機塗料特有の上品な質感が、お住まい全体を落ち着いた雰囲気にしてくれています。 倉敷市 外壁は長持ち20年の無機で塗装!色あせしにくい外壁に 漆喰部分の補修と塗装 玄関周りには漆喰仕上げの部分がありました。漆喰は調湿性が高く、美しい白色が特徴ですが、どうしてもひび割れが入りやすい素材です。実際に確認すると細かいひび割れが多く発生していたため、まずはひび割れ補修を行ってから塗装を施しました。補修後に塗装した漆喰部分は、真っ白で清潔感にあふれ、しかも白でありながらどこか透明感のある輝きを放っていました。玄関周りという来客の目に入りやすい部分でもあるため、お客様にとっても非常に満足いただける仕上がりとなったのではないかと思います。 木部の存在感と塗装 この住宅のもう一つの特徴は、木部が多く使われている点です。大きな破風板や鼻隠し、そして軒天の外壁側にある「奥紐(おくひも)」と呼ばれる細い化粧板も木材です。木部は外壁や金属部材と比べるとどうしても劣化が早く、定期的な塗装で保護することが大切になります。軒天は白色で塗装し、その外側に細く入る奥紐部分は木のブラウン系で仕上げました。細い部材ではありますが、ここを丁寧に塗装することで全体のラインが引き締まり、軒天と外壁の境界がとても美しく見えます。破風や鼻隠しも同様に、木の質感を活かしつつしっかりと塗膜で保護しました。木材部分は見た目の印象に大きく関わるため、仕上がりの美しさと耐久性を兼ね備えるように丁寧に作業を進めました。 まとめ 今回の岡山市北区での外壁塗装工事では、モルタル外壁のリシン仕上げに適した下地処理(ミラクシーラーエコ+微弾性サーフ)無機塗料による長寿命の仕上げ漆喰部分の補修と美しい白色の再現木部の丁寧な塗装とラインの美しさ これらが大きなポイントでした。築年数のわりに非常に状態の良い外壁に恵まれ、さらに細部まで丁寧に塗装を行ったことで、これからも長く安心して暮らしていただけるお住まいに仕上がったと感じています。施工前とは見違えるように明るく、美しい仕上がりとなりました。今後も定期的なメンテナンスを行いながら、大切なお住まいを守り続けていただければと思います。 ブログ一覧へ 関連記事をチェックする