岡山県矢掛町 モニエル瓦をフッ素塗装で美しく 下塗り2回の理由 2025.05.29 塗装 目次1 モニエル瓦とは?特徴と注意点1.1 スラリー層が塗装を難しくする理由2 現場の状況:苔・藻が多く、長年の汚れが蓄積2.1 高圧洗浄は塗装前の最も重要な工程2.2 下塗り2回がポイント。マイルドシーラーEPOで密着性アップ2.3 上塗りはフッ素塗料で高耐候・長寿命3 モニエル瓦の塗装は「知識と経験」が不可欠 こんにちは!今回は矢掛町の現場で、住宅の屋根に使用されている「モニエル瓦」の塗装工事についてご紹介します。「モニエル瓦」と聞いて、ピンとくる方は少ないかもしれません。今では日本では生産していない瓦ですが、この瓦は一時期とても人気があり、多くの住宅に採用されていた屋根材です。現在も築20年〜40年ほどの住宅で見かけることがあります。今回の現場では、モニエル瓦の屋根に対して、高圧洗浄・下塗り2回・上塗り3回(フッ素塗装)という丁寧な工程を経て、美しく、そして耐久性の高い屋根へと生まれ変わりました。 モニエル瓦とは?特徴と注意点 モニエル瓦とは、正式には「乾式コンクリート瓦」と呼ばれる屋根材の一種で、フランスのモニエル社が開発し、日本では昭和50年代から平成初期にかけて広く使われました。モニエル瓦の特徴は次のとおりですセメントを主成分とした瓦表面に「スラリー層」と呼ばれる着色材があるデザイン性に優れ、洋風の住宅によく合う耐久性はあるが、経年劣化とともに苔や藻が発生しやすいこの「スラリー層」がモニエル瓦最大の特徴であり、同時に塗装時に最も注意すべき点でもあります。 スラリー層が塗装を難しくする理由 通常のセメント瓦や粘土瓦と異なり、モニエル瓦の表面にはスラリー層(着色セメントのようなもの)が施工されています。このスラリー層は、風雨や紫外線で劣化していくと、表面が粉状になりボロボロとはがれやすくなります。このスラリー層をしっかり除去しないまま塗装をしてしまうと、新しい塗料が密着せず、浮いた状態になり数年で剥がれてしまう可能性があるのです。ですので、モニエル瓦の塗装には以下の工程が非常に重要になります。高圧洗浄とブラシでスラリー層をできる限り除去すること密着性の高い下塗り材を使用すること必要に応じて下塗りを2回行うこと 岡山市 モニエル瓦の塗装と外壁はアウトレット塗料で塗装! 現場の状況:苔・藻が多く、長年の汚れが蓄積 今回の現場は、これまで一度も屋根塗装をされておらず、苔や藻が広範囲に繁殖していました。苔や藻は瓦の劣化を早める要因でもあるため、放置は厳禁です。 高圧洗浄は塗装前の最も重要な工程 まずは屋根全体に高圧洗浄を施します。このとき、ただ汚れを落とすだけでなく、モニエル瓦のスラリー層を可能な限り除去することが目的です。瓦表面に水を当てると、弱くなったスラリー層が剥がれていく様子がはっきりと確認できました。目に見えない細かい粉や砂のようなものも一緒に流れ落ちていきます。この工程をしっかり行わないと、後の塗装工程がすべて無駄になってしまうため、時間をかけて丁寧に洗浄を行いました。 下塗り2回がポイント。マイルドシーラーEPOで密着性アップ 下塗りには、モニエル瓦にも対応している「マイルドシーラーEPO」を使用しました。これは2液型のエポキシ系シーラーで、劣化した屋根材に対して高い密着力を発揮します。洗浄後の瓦は吸い込みが激しく、1回目の下塗りでは完全に密着層を作ることができないので、2回目の下塗りを施工しました。これにより、表面がしっかりと整い、上塗り塗料が均一にのる状態をつくります。 上塗りはフッ素塗料で高耐候・長寿命 仕上げに使用したのは、耐久性に優れたフッ素樹脂塗料です。一般的なシリコン塗料よりも紫外線や汚れに強く、耐候年数も13〜15年と非常に長いのが特徴です。 モニエル瓦の塗装は「知識と経験」が不可欠 今回の現場でも改めて感じたのは、モニエル瓦の塗装は「知識と経験」が不可欠ということです。一般のセメント瓦と見た目が似ているため、素材を見分けずに通常の塗装を行ってしまうと、数年で剥がれたり、施工不良につながるケースもあります。リフォームサポート塗夢はこれまで数多くのモニエル瓦の塗装経験があり、適切な洗浄・下地処理・塗料選びに自信を持っています。もしご自宅の屋根がモニエル瓦かどうか不明な方や、屋根の状態に不安がある方は、ぜひ一度プロにご相談ください。 ブログ一覧へ 関連記事をチェックする