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複雑な形状の屋上防水!塩ビシート機械固定工法と職人の細やかな技(熱溶着・R部加工)

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複雑な形状の屋上防水!塩ビシート機械固定工法と職人の細やかな技

こんにちは!今回は前回のブログでご紹介いたしました岡山市北区学南町の「屋上の塩ビシート防水工事(機械固定工法)」の続編です。

前回の工程では、経年劣化により傷んでいたシートの下のスポンジ(緩衝材)のよれを丁寧に元通りへと修正しました。

既存のシートを調整できたら絶縁シートを敷きます。

絶縁シートの敷設とディスク固定のための穴あけ作業

ディスク固定のための穴あけ作業

写真にある、敷き詰められた白いシートが「絶縁シート」です。絶縁シートは、下地(既存の防水層や躯体)の動きや水分の影響が、新たに貼り付ける塩ビ防水シートに直接伝わらないようにするための非常に重要な役割を果たしています。

これを挟むことで、新しい防水シートが下地の動きに引っ張られて裂けたり、膨らんだりするのを防ぐことができるのです。

防水の改修工事には、絶縁シートを敷き、防水シートと密着させない絶縁工法で施工することがほとんどです。

写真では、職人たちが専用のドリルを使って下地に穴をあけている様子が写っています。
これは、塩ビシートを固定するための「専用ディスク」を取り付けるためのビス穴をあける作業です。

広い屋根面全体に対して、等間隔かつ正確に穴をあけていく作業は根気が要ります。建物の風圧荷重(強い風でシートが巻き上げられないようにする力)を正確に計算し、決められたピッチ(間隔)でしっかりと固定用の穴を作っていきます。

塩ビシートの敷設と誘導加熱(IH)によるディスク熱圧着

ビス穴を開けた部分に専用ディスクを打ち込み、その上から主役となる「塩ビ防水シート」を一気に敷き詰めていきます。

塩ビシートを敷く

床面全体にきれいに塩ビシートが敷かれました。 「機械固定工法」の大きな特徴は、シート全体を接着剤でベタ貼りするのではなく、点在するディスクとシートを熱で接合する点にあります。

シートを敷いた後、専用の加熱装置(IH誘導加熱装置)をシートの上からディスクの位置に当てます。すると、シートの下にある金属ディスクが磁気によって一瞬で加熱され、塩ビシートの裏面が溶けてディスクと強力に熱圧着(融着)されます。

防水工事の機械固定工法による熱圧着

この工法により、下地が多少濡れていたり湿気を含んでいたりしても、防水シート自体には何の影響も与えません。また、下地の不陸(凹凸)を拾いにくいため、仕上がりが非常に美しく平滑になるというメリットもあります。

複雑な形状に合わせた金物の現場加工

今回の現場の屋上は、バルコニーがある面が建物の採光を確保するためのデザインになっており、形状が非常に複雑で凸凹(凹凸)が多いという特徴がありました。

複雑な形状の屋上

防水工事において、こうした「端部(立ち上がりや角)」の処理は最も雨漏りリスクが高く、職人の腕が試されるポイントです。

 

抑え金物を測って切る作業

シートの端部を固定するための専用金物(アルミ製の抑え金物など)があるのですが、工場から届いた規格品をそのまま取り付けることはできません。現場の寸法に完璧に合わせる必要があります。

写真のように、職人が手作業でミリ単位の寸法を現場計測し、金物用ハサミ(金切バサミ)を使ってひとつひとつ丁寧にカットしていました。 無駄が出ないように緻密に計算して切り出し、隙間なくぴったりと納まるように固定していきます。

400度の熱風によるシート継ぎ目の熱溶着(熱風溶接)

床面のシート固定が終わった後は、シート同士が重なる「継ぎ目(重なり部)」の完全密閉作業です。

塩ビシート防水ではシート同士の接合にはボンドなどの接着剤ではなく、「熱風溶接機(ライスター)」という専門工具を使用します。

熱風溶接機でシートの熱溶着

400度の超高温熱風をシートとシートの隙間に送り込み、塩ビ樹脂を瞬時に溶かします。それと同時に、もう片方の手で持った小さな専用ローラーで圧力をかけて押し潰すように圧着していきます。(熱溶着)

溶けた塩ビ同士が一体化するため、冷えて固まると「シートとシートが完全に化学的に融合した状態」になります。接着剤のように経年劣化で剥がれてくる心配がほとんどなく、水が浸入する隙間を一切与えません。

手元の温度調整やローラーを転がすスピード、加減が少しでも狂うと、シートが焦げてしまったり、逆に溶け込みが甘くて漏水の原因になったりします。非常に高度な技術と集中力が求められる工程です。

建物の丸い角(R部)の職人技!

今回の現場で特に印象的だったのが、建物の角が丸くなっている「R部(パラペットの曲線部分)」の施工です。

直線的な塩ビシートを、カーブを描く立体的な構造物にシワなく美しく貼り付けるのは至難の業です。そのまま貼ろうとすると、どうしてもシートに突っ張りやヨレが生じてしまいます。

R部の施工

そこで職人は、立ち上がり部分の塩ビシートに等間隔で細かく切れ込み(スリット)を入れ、1枚1枚の片を重ね合わせながら曲線に沿わせていくという手法をとっていました。

写真をご覧いただくと、扇状に細かくカットされたシートが綺麗な円弧を描いているのがお分かりいただけると思います。 切れ込みを入れた部分は、後から一枚ずつ熱溶着して重ね合わせ、水が入らないよう完璧に一体化させます。

間近でこの作業を見ていて、「本当に器用だな…!」と心から感動しました。まさに職人の長年の経験と手先の器用さがあってこそ成し得るプロの技術です。

ここまでの仕上がりと今後の工程について

これまでの工程を経て、屋上全体の塩ビシート敷設、熱溶着作業が完了した状態です。

塩ビシート敷き完了

あんなに複雑だった凸凹のバルコニー周りも、曲線のR部も、まるで最初から一つの成型品であったかのように美しくフラットに覆われました。一面きれいなライトグレーの防水層が広がっており、非常に気持ちの良い仕上がりです。

この後の工事は、完璧な防水性能を完成させるため、以下の仕上げ工程へと進んでいきます。

【今後の施工予定】

シーリング処理(端末シール)

金物を取り付けた端部や、シートの端末部分、ドレン(排水口)周りなどの隙間に、耐候性の高い防水シーリング材を充填します。水が回り込むのを完全にシャットアウトします。

金物によるシート最終固定

現場で計測・カットしたアルミ金物をビス留めし、シートの端部をしっかり固定します。

付帯部のウレタン塗膜防水

塩ビシートを敷き込むことが困難な狭小スペースや、複雑な架台の足元などの「付帯部」に関しては、液体状のウレタン塗料を塗り重ねて防水層を作る「ウレタン防水」を施していきます。

「シート防水」と「ウレタン防水」というそれぞれの工法の強みを組み合わせる(複合工法)ことで、どんなに複雑な形状の屋上であっても、雨の侵入を100%防ぐ強固な防水層が完成いたします。

まとめ 屋上防水・雨漏り修理は信頼できるプロにお任せください

今回は、屋上の塩ビシート防水(機械固定工法)の施工現場から、シートの熱溶着やR部の加工といった職人のこだわり技術を中心にご紹介いたしました。

屋上やベランダの防水は、普段のお手入れや目視がしづらい場所だからこそ、いざ雨漏りが起きた時のダメージが大きくなります。 今回ご紹介したように、一見シンプルなシート防水に見えても、現場では「ミリ単位の寸法計測」「400度での熱溶着」「形状に合わせた細かい切り込み加工」といった、職人の丁寧な手作業が積み重ねられています。

防水工事をしようか迷われている方、ぜひ塗夢へご相談ください!

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