倉敷市 外壁が剥がれた住宅の壁をモルタルで復元 2025.10.22 塗装 目次1 前回までの作業をおさらい2 モルタル施工の流れ2.1 モルタルの材料づくり2.2 下地調整と1層目施工2.3 メッシュシートの貼り付け2.4 仕上げ塗り(2層目)3 モルタル施工のポイント4 歪みを整える職人技5 施工後の状態6 まとめ:ひび割れに強く、美しい外壁へ6.1 モルタル外壁の剥がれや浮きが気になる方へ。 前回までの作業をおさらい 倉敷市の住宅で行っている、外壁剥がれの修繕工事。前回の記事では、外壁を解体して原因を特定し、下地の補修・防水紙(ルーフィング)の張り替え・ラスカット施工までの工程を紹介しました。外壁が剥がれていた原因は、2階の木製窓枠からの雨水侵入。雨水が内部にしみ込み、長年かけて下地を腐らせてしまったことがわかりました。これまでに傷んだ部分をしっかり修繕し、ラスカットを新しく施工したことで、ようやくモルタルを塗る準備が整いました。 前回のブログはこちら倉敷市 外壁が剥がれた住宅の修繕工事 モルタル施工の流れ ここからはいよいよ、外壁を再生させるメイン工程である「モルタル施工」に入ります。ラスカットの上に新しいモルタルを塗り付けていく作業です。今回の現場では、モルタルを2層に分けて施工しました。 モルタルの材料づくり まずは、職人が現場でモルタルを練るところからスタートします。ベースモルタルBという材料と水を混ぜ合わせて作りますが、今回使用したモルタルには繊維(ファイバー)が含まれています。この繊維は、乾燥や温度変化によって起こるひび割れを防止する効果があります。モルタル内部で細かく絡み合うことで、収縮や歪みの力を分散させ、より長持ちする強い外壁をつくることができるのです。職人は、材料の配合や水の量を天候に合わせて調整しながら、均一でなめらかな状態になるまでしっかり練り上げていました。この「練り加減」も、仕上がりの美しさを左右する大切な技術です。 下地調整と1層目施工 練り上げたモルタルを、ラスカットの上に塗り付けていきます。この1層目は下地を整えモルタルをしっかり密着させるための層です。鏝(こて)を使って丁寧に押さえながら、均一な厚みで塗り広げていきます。モルタルは乾燥すると収縮してひび割れが起きやすいため、1層目は厚く塗りすぎず、乾燥時間を十分にとってから次の工程に進みます。ここでの丁寧さが、仕上がりの美しさと耐久性に大きく影響します。 メッシュシートの貼り付け 1層目のモルタルが固まり始めたところで、メッシュシート(補強ネット)を貼り付けます。このシートはモルタルに埋め込むようにして施工し、外壁全体を補強します。メッシュシートを入れることで、ひび割れを起こしにくい外壁になります。繊維入りモルタルとメッシュシートのダブル効果で、ひび割れ対策として非常に強固な構造となっています。職人さんは、隙間ができないようにシートをピンと張り、角の部分も丁寧に重ね合わせて施工していました。見た目には地味な作業ですが、長持ちする壁づくりには欠かせない工程です。 仕上げ塗り(2層目) メッシュシートを貼り終えたら、いよいよ2層目(仕上げ塗り)のモルタルを施工します。この層では、表面を滑らかに整え、厚みを均一にしていきます。乾燥中は気温や湿度にも注意が必要です。急激に乾くとひび割れが起きやすくなるため、天候を見ながら慎重に作業を進めました。 モルタル施工のポイント 今回の現場では、以下の点を特に意識して施工しました。2層構造で耐久性アップ 1層目で下地との密着を高め、2層目で美観と強度を両立させました。メッシュシートでひび割れ防止 モルタル特有の割れやすさをカバーし、長く美しい外壁を維持します。下地の歪みを丁寧に調整 経年劣化で微妙に歪んだ外壁を、職人が鏝(こて)で修正しながら平滑に整えました。 歪みを整える職人技 今回の住宅は2階建てで、西面の外壁が広く、雨や風の影響を受けやすい面でした。長年の劣化や雨漏りにより、下地にわずかな歪みが生じていました。モルタル施工では、この歪みをそのままにすると光の当たり方で波打ったように見えたり、塗装をしても陰影が不自然に出てしまうことがあります。職人さんは、鏝を使いながら厚みを微調整し、上下左右のバランスを見て表面を整えていました。こうした繊細な作業こそが、経験豊富な職人ならではの技術です。完成後に見ても「どこが直されたのか分からない」ほど自然な仕上がりになります。 施工後の状態 現在の現場は、モルタルの2層施工まで完了した状態です。新しい壁がしっかりと形成され、外観の印象も大きく変わりました。このあと、乾燥期間を十分に置いたうえで、外壁全体の塗装工程に進んでいきます。塗装を行うことで防水性と耐候性がさらに向上し、長く安心して過ごせる外壁に仕上がります。 まとめ:ひび割れに強く、美しい外壁へ モルタル外壁の修繕は、見た目以上に下地と施工手順が重要です。今回はラスカットの上に2層のモルタルを丁寧に施工し、メッシュシートで補強することで、ひび割れや浮きのリスクを大幅に減らしました。また、歪みを整えながら仕上げることで、美しくまっすぐな外壁に。次回はいよいよ塗装工程へと進みます。完成が今から楽しみです。 モルタル外壁の剥がれや浮きが気になる方へ。 表面のひび割れが小さくても、内部で雨水が入り込んでいる場合があります。放置せず、早めの点検・修繕を行うことで、家を長持ちさせることができます。外壁の不具合でお困りの際は、ぜひ私たち塗夢までご相談ください。現場をしっかり確認し、最適な修繕方法をご提案いたします。 お問い合わせはこちら ブログ一覧へ 関連記事をチェックする 2025.10.22 倉敷市 外壁が剥がれた住宅の修繕工事