岡山県矢掛町の住宅で外壁塗装工事が始まりました 2025.07.14 雨漏り対策 目次1 西面に多く見られたクラックとその原因2 コーキングの色も、外壁と同じ2色で分けて施工2.1 実際にあったコーキングが見えて目立っていた事例3 コーキング撤去から高圧洗浄までの工程3.1 コーキングの撤去3.2 コーキング充填3.3 高圧洗浄機で洗浄作業3.4 高圧洗浄で旧塗膜が取りきれず、ブラシでこすって取る4 次は養生と下塗りへ5 まとめ こんにちは。今回は、岡山県小田郡矢掛町にある住宅の外壁塗装の様子をご紹介します。このお宅は、今回が初めての外壁塗装。築年数が経過しており、外壁の色褪せや劣化が全体的に進んでいる状態でした。特に西面は日当たりが良いため、他の面と比べて傷みが顕著で、クラック(ひび割れ)が多数見られました。外壁はサイディングボードで、屋根は陶器瓦。屋根のほうは劣化が少なく、今回は外壁のみの塗装工事です。 西面に多く見られたクラックとその原因 最初に目についたのは、外壁西面に多く発生していたクラック(ひび割れ)です。調査を進めてみると、クラックの発生原因は「目地コーキングの劣化」にありました。外壁サイディングは、建物の揺れや温度差による膨張・収縮などで常に微妙な動きをしています。その動きに対応するために、外壁の継ぎ目には「コーキング(シーリング)」という弾力性のある材料を打ち込んでいるのですが、経年劣化によりこのコーキングが固くなり、切れてしまっていたのです。 その結果、本来コーキングが吸収すべき力が直接サイディングに伝わってしまい、サイディングが割れてしまったというわけです。このまま放置すれば、今度は割れだけでなく、サイディングの「反り」が進んでしまうおそれもあります。そのため、今回の外壁塗装工事では、すべてのコーキングを撤去し、新しく打ち直すところから作業を開始しました。 コーキングの色も、外壁と同じ2色で分けて施工 このお宅では、外壁を上下で塗り分ける「ツートンカラー仕上げ」をご希望でした。1階はシックなブラック、2階は明るめのアイボリー。建物のデザインに立体感が出て、印象がガラッと変わる配色です。このような場合、コーキングの色にも注意が必要です。皆さんは、コーキングというと「白いもの」というイメージがあるかもしれません。確かに、白色のコーキングは一般的によく使われています。塗装後は塗膜によってコーキングは隠れるので見えません。しかし、塗装の色と違う白のままだと、後々目立ってしまうことがあります。たとえば、塗装後数年が経過し、コーキングの一部が割れた場合。中から白いコーキングが見えてしまうと、外壁の色が濃い場合はそこだけ浮いて見えてしまうのです。 そのため、今回はコーキングも1階用にブラック系、2階用にアイボリー系の2色を用意し、それぞれの外壁色に合わせて使い分けました。こうすることで、仮に将来ひび割れが生じたとしても、目立ちにくく、美観が長く保たれます。コーキングは「見えないけれど大事な部分」です。塗装の美しさと耐久性を支える重要な役割を果たしています。 実際にあったコーキングが見えて目立っていた事例 実際にあった施工です。岡山市のアパートでコーキングが切れている箇所から中の白いコーキングが見えていました。コーキングの色は攪拌するときに色の粉を一緒に攪拌して色を付けることができます。 コーキング撤去から高圧洗浄までの工程 コーキングの撤去 最初の作業は、既存の劣化したコーキングの撤去です。カッターや専用工具を使い、外壁を傷つけないように丁寧に取り除いていきます。長年の劣化により硬化している部分もあり、慎重な作業が求められました。 コーキング充填 次に新しいコーキング材を充填する打ち替え作業を行いました。各色を使い分け、しっかりと奥まで充填して空気が入らないようにしながら、表面をきれいにならしていきます。コーキングが終わったら、次は外壁全体の高圧洗浄です。 高圧洗浄機で洗浄作業 コーキングが終わったら、次は外壁全体の高圧洗浄です。塗装を長持ちさせるためには、塗る前の下地処理がとても大切。汚れやホコリ、古くなった塗膜などをしっかり落とすことで、塗料の密着性が高まり、剥がれにくくなります。 高圧洗浄で旧塗膜が取りきれず、ブラシでこすって取る しかし、今回の外壁は旧塗膜がパラパラと剥がれやすい状態になっていました。高圧洗浄をしても、すべてが一度で取りきれず、ブラシを使って手作業でこすり落としました。このときに注意したのが、静電気です。細かく剥がれた旧塗膜が静電気で再び外壁に付着してしまい、除去が難しくなっていました。そこで、一度目の洗浄→ブラシ作業→再度の洗浄という工程で、外壁の状態をしっかり整えました。この地道な工程こそが、仕上がりの美しさと耐久性に大きく影響します。 次は養生と下塗りへ 現場では今後、養生作業を行い、いよいよ下塗りの工程へと進みます。養生とは、窓や玄関、エアコンの室外機など、塗料がついてはいけない部分をビニールなどで覆う作業です。美しい仕上がりを実現するためには、丁寧な養生が欠かせません。下塗りでは、下地と上塗り塗料の密着性を高めるための「接着剤のような役割」を果たす塗料を塗っていきます。建物の素材や劣化具合に合った下塗り材を選ぶことで、塗装の耐久性が大きく変わってくるのです。 まとめ 今回の矢掛町の現場は、初めての塗装工事ということもあり、外壁の傷みが進んでいましたが、正しい手順でしっかりと下地処理を行うことで、美しさと耐久性を兼ね備えた仕上がりが期待できます。外壁塗装は「見た目がきれいになる」だけでなく、建物そのものを守るための大切な工事です。特に、コーキングの打ち替えやクラック補修、洗浄といった“下地づくり”は、見えにくい部分ですがとても重要です。今後の工程も、丁寧に進めてまいります。完成後のビフォーアフターもぜひご紹介したいと思いますので、楽しみにお待ちください! ブログ一覧へ 関連記事をチェックする